先週、俺の元に新入社員が配属された。
中途採用の26歳だか27歳。
俺をせせら笑うかのように、奴の左手薬指には光るものが。
ふん、生意気な奴だ。
そんな奴から夕方、外出中の俺に電話があった。
「先程○○に行きまして、先程帰社しました」
「あっそ、お疲れ。どうした?寂しくなったのか?」
「いや、、、はい、寂しいです!」
「俺は寂しくないけど。で、なんか用?」
「いえ、特には無いんですが。。。何かお手伝いできることありますか?」
(お、可愛いこというじゃねえか)
「ないよ、別に。どうしたんだよ?」
「いえ、入社して10日近く経ちますが、まだあまりお話させて
いただいてないので、、、」
そうだった。
考えてみりゃ、こいつとはまだ延べ1時間程度しか話していなかった。
仕事もままならないのに俺が放置しちゃいかんな。悪かったよ。
「そうだな、でも俺はお前に頼むことも話すこともこれっぽっちも無いから
仕事終わったんなら帰れよ。」
俺の愛情満点な言葉が奴の心に刺さり、そして奴の苦悩の日々は続く。
ごめんね、素直で。
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